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2011/04/10(日) 21:04 大鬼
■ 20ミリシーベルト:子供に200倍の被曝を認める文科省

ICRP(原発推進派の国際組織)は、年間1000マイクロシーベルトを被曝許容量としているが、今のような「緊急時」には20000マイクロSv(20ミリSv)まで認めるべきだと日本政府に働きかけてきた。

報道によると、文部科学省は4月10日、福島県の幼稚園や学校に、大気中の放射線量のモニタリングデータに基づき、児童・生徒たちの校庭活動での被曝を年間20ミリシーベルトまで許可する方針を検討している。

日本政府はこれまで、水・食品の暫定基準など、国際的基準よりも20~30倍高いゆるい規制値をなし崩し的に決めてきたが、今回は子供たちの年間被曝量基準を、ICRP通常時基準の20倍、ECRR(環境・人命重視派の国際組織)基準の200倍にしてしまうというものだ。


■ 25人に1人を殺す基準

20ミリシーベルト/年とはどういう放射線量か。もともと日本では原発作業員など極めて特殊な職業の人に年間50ミリSvまでを許容してきたが(現在作業員は250ミリSvにまで許容されているが)、それと大して違わない被曝量を子供に認めるということは、どんな事態をもたらすのか。

基本的に放射能の被害は確率的被害であり、ここからは絶対に安心という値など存在しない(※この点については別の記事で詳しく述べましたが、他にも説明している人が何人かおられます)。京都大学の小出裕章先生によると、年間1000マイクロSvの確率的被害とは、数年~数十年の間に、1万人中4人が被曝によるガンにかかる、というものである。つまりICRPの基準とはそのレベルの確率的被害までは安全ということにしようという意味だ。30歳くらいの大人であれば、年間20ミリ(20,000マイクロSv)という基準は、125人に1人が被曝による癌で死ぬ、という確率的被害を認める値である。

しかしこれは成人についての確率的被害なので、幼児・未成年の場合はこれよりもさらに発癌率は高くなる。小出先生によれば概算で子供は5倍の影響を受けるため、年間20ミリSvをあびてしまえば、25人に1人の子供が将来ガン死することになる。

なお米国の「社会的責任のための医師会」も、この20ミリSv/年という基準は200人に1人、2年間だと100人に1人をガン死させると言っています。

※この記事を書いた時点では、大鬼は20ミリシーベルトの確率的被害を、1000人に1人であると思っていましたが、これでは被害をかなり過小評価していると考え修正しました。


■ 体内被曝を含めれば恐ろしい被曝量に

大気中の放射線量で判断するということは外部被曝量しか計算しないということだ。しかし本当の危険は体外被曝ではなくて放射性物質を吸い込んだり飲んだり食べたりすることで起こる体内被曝であることは、当ブログでも繰り返し説明してきた。空間からの外部被曝で20ミリSv付近に達する頃には、体内からそれとは比べものならないほど大量の被曝を被っている。リスクの計測方法がそもそも間違っているので、致命的な「想定外」の事態を招くことは明らかである。


■ 緊急時用の基準という理不尽な発想


そもそも「緊急時」だから通常時よりもあまい基準を適用するという発想はおかしい。私たち住民の立場から言えば、緊急時こそ厳格な基準が求められる。というか、被曝量の基準が問題になるのは常に緊急時である。そして緊急時だからといって人間の放射能耐性が増えるわけでもない。ではなぜ原発推進派は「緊急時」基準といったバカげたことを強引に決めようとしているのか。動機は非常に分かりやすい。反原発世論を抑え込み厄介事を回避するために、基準をゆるめて被害をないものにする、という話である。彼らはことあるごとに定説はないとかいろいろと理屈をならべるが、行動パターンを見れば、原発利権を守るために人命を犠牲にしていることは明らかである。


■ 子供たちを守って!文科省に意見を書いてください

20ミリSvという基準が既成事実化すれば、他の地域の学校にも適用されていくだろう。こんなことを認めてはいけない。以下のフォームに意見を書いて子供たちの命を守ろう。地域の学校にも声を伝えよう。

文科省の政策評価に関するご意見フォーム



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2011/04/10(日) 13:41 大鬼
■ 米原子力規制委員会の極秘報告書が示唆した格納容器内水素爆発の危機

事態を楽観しし続けてきた日本政府とは対照的に、米国政府内には最悪の事態が起こる可能性への深刻な懸念があることが明らかになった。ニューヨークタイムズが4月5日にリークした、3月26日付のアメリカ原子力規制委員会(NRC)の極秘文書には、1~3号機の格納容器(炉心の最終防壁)が破裂・爆発を起こす可能性が言及されている。

これまでに起きた水素爆発はいずれも格納容器外での爆発だったので、最悪の事態には至っていなかった。極秘文書によると、大量の海水を入れたことで塩が各所に固着して水の通りが妨げられ(この点では1号機が最も深刻で「(水の注入が)おそらくブロックされ」ている)、そのことが炉心溶融を促進している。そこから二つの問題が出てくる。ひとつは水素の発生の促進である。高レベル放射線が水を酸素と水素に分解し、それが格納容器内に充満すると水素爆発に至る可能性がある。もう一つの問題は、溶けた燃料で原子炉圧力容器が破損し、圧力容器から出た溶けた燃料が格納容器内にたまり、さらに格納容器を破損させて外部に出てしまうという、いわゆるメルトダウンの進行だ。いずれにしても格納容器が突破されたり爆発した場合、これまでとは桁違いの量の放射能が放出されることになる。格納容器内で水素爆発が起きたら、もちろん使用済み燃料プールも吹き飛ばされる。

現在行われている真水への切替えと窒素の注入は、このNRCの危機判断に基づき、塩の固着を食い止め、容器内の水素の充満を防ぐために行われている。日本は高度な科学力を持ちながら、原子力の安全性への過信ゆえに危機管理能力を失い、米国NRCに頼らざるを得なくなっている(米国の技術や管理能力への過信もまた幻想なのだが・・)。

米国NRCは、少なくとも2号機では溶けた燃料が圧力容器の外に漏れだして格納容器の底に沈殿していると見ている。これがさらに進行すると、格納容器の底が破壊されて、漏れ出したウラン燃料が様々な物質と反応して爆発的放射能放出を引き起こすという。事態は日本人がメディアで聞かされているよりもはるかに深刻である。


■ これまでの放射能放出量は全体の4%


では格納容器爆発が起きた場合、どれだけの放射能が放出されることになるのか。朝日新聞は米国NRCの計算式に基づいて、1~3号機の原子炉内に放射性ヨウ素が590万テラベクレル(テラ=兆)、放射性セシウムが同13~22万テラBqあり、3月24日に公表されたSPEEDIのデータから、そのうち3月24日までに大気中にヨウ素が3~11万テラBq(セシウム未公表)が放出され、水には4万テラBq(セシウム1.2万ベクレル)が流出した、と試算した

ちなみに数万テラBq(数京ベクレル)を超えれば国際基準でレベル7であるから、3月24日までにすでにレベル7に到達していたことになる。チェルノブイリ原発災害では合計で数十京ベクレルの放射性ヨウ素(全放射性物質だと100京以上か)が放出されたので、もはや福島はチェルノブイリに並んだと見るべきだ。

3月24日までの大気中へのヨウ素放出量を間をとって7万テラBqとすると、1日あたり5000テラBqなので、4月10日現在までに約15万テラBqが大気中に放出されたことになる(放出量の変化が推定できるようなデータを政府が公表しないため放出量を一定とした)。これまでに水に混じって流出したヨウ素を多く見積もって10万テラBqとしても、全体の4%程度しかまだ格納容器外に出ていない計算になる。もともとあった放射性ヨウ素590万テラBqのうち565万テラBq(これまで大気中に放出された量の38倍)がまだ格納容器内部に残っている。もちろんこれ以外に、使用済み核燃料プール内にある膨大な放射性物質もある。格納容器が爆発すれば、これら桁違いの量の放射能が一気にばらまかれることになる。もし爆発が避けられたとしても、格納容器が一部でも破損すれば放射能放出量は確実に増加する。


■ 1号機で再臨界が起きていることを示すデータ~小出裕章氏が警告

これまで制御棒が挿入されて核反応が停止した福島第一では燃料の再臨界(核反応が再び始まること)は起きないと説明されてきた。しかしここにきて、再臨界が生じている可能性を示唆する証拠が次々に出てきた。再臨界(チェーンリアクション)が発生すると炉心の温度が一気に上がり、冷却がさらに困難となり、格納容器内水素爆発の可能性も高まる。

小出裕章・京都大学原子炉実験所助教は、videonews.comの番組で、1号機で再臨界が起きている可能性が高い理由を説明した。第一に、1号機の原子炉圧力容器内の放射線量が4月8日に、30Sv/hから100Sv/hに急上昇した(3月21日にも10Sv/hから50Sv/hへの急上昇が発生していた)。炉心温度も急上昇しており、こうした炉心内の急変は再臨界でしか説明がつかない。保安院は計器故障だとしているが証拠を出していない。第二に、3月25日に東京電力が、敷地内汚染水から極めて高濃度の塩素38(Cl38)を検出した。塩素38は海水中の塩素37が中性子を受けることで発生する物質で、再臨界しか大量の中性子が出たことが説明できない。

小出氏によれば、もしも再臨界がこのまま状況を悪化させれば(それを抑えるにはホウ素を注入しなければいけない)格納容器内爆発の可能性も高まる。格納容器が爆発すれば、とんでもない量の放射性物質が数百キロ圏内に飛んでいく。その時南西向きの風になっていたら、東京も放棄せざるを得なくなる。もっとも首都圏の人口が半日以内に西に避難するのは不可能なので、そうなった場合はもう甚大な被害は避けがたい。


4月8日の余震で女川原発の外部電源が3分の2断絶し、六ヶ所村再処理工場も電源を断たれて非常用ディーゼルという信頼性のない電源に依拠せざるをえない事態に陥った。4月7日には米国ワシントン州の原発で小規模な水素爆発が発生して一時避難騒ぎとなった。原子力は、あまりにもろく、あまりに厄介で、あまりに被害リスクが大きすぎる。


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