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2011/07/16(土) 21:23 大鬼
■ 菅首相が脱原発方針を表明

菅直人総理大臣は7月13日、脱原発をめざすことを以下のように日本の首相として初めて表明した。

「私自身、3月11日の原子力事故を経験するまでは、原発については安全性を確認しながら活用していくという立場で政策を考え、また発言をしてきました。しかしこの大きな原子力事故を私自身体験をする中で、そのリスクの大きさ、例えば20km圏から避難をしてもらわなければならない・・さらには最終的な廃炉という形までたどり着くまで5年、10年あるいはさらに長い期間を要するわけでありまして、そういった原子力事故のリスクの大きさということを考えた時に、これまで考えていた安全確保という考え方だけでは、もはや律することができない、そういう技術であるということを痛感しました。これからの日本の政策として、原発に依存しない社会を目指すべきと考えるに至りました。計画的・段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもきちんとやっていける社会を実現していく、これがこれから我が国が目指すべき方向だと考えるに至りました。国民の皆さん企業の皆さんの理解と協力があれば、この夏においてもピーク時の節電や自家発電の活用などによって、十分対応できると考えております。」

他方で「専門的な立場の皆さんのきちんとした提起があれば、そしてそれが大丈夫ということであれば」再稼働もあり得るとも発言した首相だが、再稼働の必要性は実はどこにも述べられていない。再稼働なしでも電力不足が生じないことは首相自ら認めている。


■ 総選挙なき首相退陣論にご用心

菅総理の脱原発方針は、急成長した日本の脱原発世論におされて出てきたものであり、決して一人の思いつきで出たものでも、彼がもともとやろうと思っていたことでもない。延命云々という議論もあるが、政治家とはそういう生き物であり、永田町は茶番劇場である。大鬼は民主中心でも自民中心でも世論を正確に反映していない政権・国会を基本的には支持しない。しかし世論の力で政治家・政党に圧力をかけて態度を改めさせることには大きな意味があると考える。今回の脱原発方針はまぎれもなく世論が可能にした状況だ。政府内からは首相の考えと政府の方針は違うといった見苦しい反論が出され、原発再稼働を何が何でも強行しろという財界の圧力もある中で、事態は予断を許さないものの、原発容認派が崖っぷちに立たされたことは明らかだ。早くも二日後には、文科相のもんじゅ中止示唆、福島県の脱原発宣言、と具体的な影響が出てきた。世論の力を見くびってはいけない。

ちなみに大鬼は、選挙で原発容認派を落選させて次期政権がより徹底した脱原発派政権になるという見通しが見えてくるまでは、菅総理の早期退陣論には反対である(解散総選挙をやるというなら話は別だが)。そもそも首相退陣論の発端は、脱原発側に傾斜しはじめた菅直人を原発推進派が首相の座から引きずり下ろすために やった不信任決議騒動の際の言った言わないレベルの話を推進派とマスコミが勝手に既成事実化したことであり、脱原発とは逆の方向を向いた永田町政治の産物である。敗退を続ける原発容認派に残された希望が、総選挙なしの菅おろし(つまり前原・岡田・枝野など原発容認派総理の樹立)だったが、菅に逆ギレされてむしろ菅を脱原発世論により近づける結果を招いた。この間の犯罪的な政府の対応から考えて菅内閣を支持する気にはなれないが、首相交代は全く別の話である。福島第一原発災害を引き起こした責任の多くは歴代自民党政権にあり、民主党内でも脱原発の足を引っ張っているのは現状では菅ではなくその取り巻きや霞ヶ関なのだから、闇雲に総理だけを叩くようなマスコミの論調はよこしまな考えに基づく世論操作だと大鬼は考える。


■ 新聞各紙の首相脱原発会見への反応

読売は原発容認派であり、執拗に誤った情報を書き続け、首相の脱原発方針にも当然否定的な態度をとっている。産経は破綻した原発推進派の主張を観察するにはいい。毎日と朝日は5月以降、脱原発に一定の理解を示してきた新聞であるが、毎日の主張はいまいちで、意外にも朝日の方がましに思えた。すべてウェブ版より。※以下は大鬼の反論


(1)    読売新聞、7月14日社説

脱原発宣言 看板だけ掲げるのは無責任だ

「深刻な電力不足が予想される中で、脱原子力発電の“看板”だけを掲げるのは無責任だ。」
→※電力不足がデマであることはもはや周知の事実。デマとこじつけで批判するのは無責任だ。

「原子力発電を補う代替エネルギーの確保策が、不透明なままだったことも問題である。」
→※代替エネルギー確保を妨害してきた読売など原発推進派こそ問題である

「自然エネルギーの普及は促進すべきだが、現時点では総電力の1%にとどまり、発電量は天候などで変動する。コストも高い。・・近い将来、原発に代わる基幹電力の役割を担えるほど見通しは甘くない。」
→※自然エネルギーは太陽・風・水・波・地熱など多様でありコストは原発に比べればすべて安い(最終処分や事故のリスクを計算から除外するな)。近年各国では飛躍的な普及が始まっており、例えば中国は2010年に原発17基分の風力発電を、ドイツは7基分の太陽光発電を新設した。主要国でやっていないのは日本だけ。

「火力発電で急場をしのげても、燃料費がかさんで電力料金が上がれば、産業の競争力低下を招く。工場の海外移転による空洞化も加速して、日本経済は窮地に立たされかねない。」
→※話が恐ろしく飛躍しすぎだ。電力料金を上げさせないオプションは多数ある。少なくとも電力会社の兆レベルの内部留保、毎年4500億円の無駄な原子力予算、ピーク時節電分、代替エネルギー新設までの期間、長期的コスト、持続可能性、などを考慮していない議論に説得力はない。空洞化など円高合意から20年以上続いている。今さら電力料金にこじつけている経団連米倉や日銀白河の受け売り。もしも最終的に命か多少のコストかを問われるのならば、迷わず命をとる。人の生命を脅かしてまで自己利益を追求しないでくれ。

「安全確保を徹底しつつ、原発利用を続けることが、経済の衰退を防ぐためには欠かせない。」
→※原発の安全確保が地震大国では不可能であることが、リスク0%だったはずの福島第一の事故で証明されている。

「代替電力の展望もないまま原発からの脱却ばかりを強調するのは、あまりにも非現実的だ。」
→※ピーク時節電と埋蔵電力でピーク時を乗り切れるという議論は多数あるが乗り切れないということを証明した議論は見たことがない。闇雲に電力不足を煽り原発に固執しつづけて日本列島をダメにするリスクをこれ以上押しつけることは、あまりに非現実的だ。

「原発のストレステスト(耐性検査)を巡る閣内不一致によって、九州電力玄海原発など、定期検査で停止している原発の再稼働に見通しが立たなくなっている。・・首相には、福島第一原発の事故に伴う国民の不安に乗じ、脱原発を唱えることで、政権延命を図る思惑もあったのではないか。場当たり的言動が、多くの混乱を引き起こしている。首相は、そのことを自覚すべきだ。」
→※世論調査参照。脱原発も再稼働反対も世論の支持を得ている当然の判断だ。菅が孤立しているとすれば、永田町こそが世論を無視して原発延命に奔走することで混乱を引き起こしている。


(2)産経新聞、7月13日記事

菅首相の「脱原発」宣言 企業活動、国民生活への影響無視

「菅直人首相が打ち出した『脱原発』宣言は、企業活動や国民生活への影響を無視したものだ。首相は今夏や冬場の電力不足は『節電協力で乗り切れる』としているが、企業活動やそこで働く生活者へのダメージは深刻さを増している。」
→※原発事故と電力不足デマによる「ダメージ」を脱原発のせいにするという典型的な世論操作。ピーク時節電は本当に産業界が協力すれば一番暑い時間帯にクーラーを断続的に何分か停止する程度で効果があり、大がかりな生産縮小など必要ない。

「首相自身が突如として全国の原発に対するストレステスト(耐性検査)を打ち出して混乱を引き起こす現実を前に、多くの立地自治体は政府を信頼できずにいる。」
→※世論調査参照。信頼されていないのは強引に再稼働を求める原発容認派の方である。

「『電力をどの程度使えるかがはっきりしないままでは、来年以降の経営計画も立てられない』と、経営者からの悲鳴は切実さを増している。」
→※国民生活への影響といいながら、つまるところ経営者と御用エコノミストの主張だった。

産経は熱中症やストーカー被害増加の原因を脱原発路線にこじつけるトンデモ記事(7月16日)のように、電力不足デマ・電力会社の不誠実経営・無駄な夜間節電などに関連する社会問題を脱原発路線のせいだと責任転嫁することに精を出している。産経が報道機関という体裁すらないむき出しの世論操作集団であることがよく分かる。


(2)    毎日新聞 7月14日社説

『脱原発』表明 目指す方向は評価する

「原発への依存を減らしていくこと、そして現実的にもそうした方向にならざるを得ないことは、私たちもこれまで何度も指摘してきたところだ。その考え方については基本的に支持し、評価したい。」

「しかし、首相のこの日の会見ではあまりに具体性が乏しい。将来とは一体、いつごろを考えているのか。代替エネルギーをどうやって促進していくのか。」
→※会見で首相はまだこうしたことを決められる段階ではないと述べた。背景には明らかに菅首相の方針に批判的な原発容認派閣僚の圧力がある。彼らにこそ具体策が決められない原因があることをはっきりさせるべきだ。

「いずれ遠くない時期に退陣するであろう首相だ。まず、政府・与党としての考えをまとめる作業を急いでもらいたい。」
→※市民そっちのけで首相退陣を勝手に既成事実化したのは原発容認派の政治家とマスコミである。確かに菅退陣世論は強いが、その理由は菅が浜岡を停止させたりエネルギー政策を見直すことでリーダーシップを発揮したからではなく、逆に政権として原発延命のために様々な嘘で市民を欺き放射能対策もろくに行っていない政権全体への批判であることは世論調査を見れば分かる。

「首相のリーダーシップで進めていくことは必要だ。しかし、民主党の執行部でさえ菅首相と距離を置き始め、絶えず退陣時期が焦点となっている現状を考えれば、個人的な意見の言いっぱなしで終わる心配がある。」
→※菅首相個人の人気がないことに便乗して、圧倒的な世論の支持を得ている脱原発を妨げ原発容認派政権を樹立することになる「菅おろし」を推し進めてきた勢力に注目しよう。

「来年夏以降に関しては、天然ガスを使う火力発電所の活用などを挙げたが、『計画を立てていきたい』と語るだけだった。これでは、ただでさえ方針が二転三転する菅内閣に不信感を強めている産業界などは納得しない。」
→※産業界のオピニオンが原発推進派に支配されている現状では「納得」などどうやっても期待できない。民主主義の社会として、自分と家族の命を守りたい普通の人たちの声が重視されるべきだ。原発推進から脱原発へと首相の方針を「二転三転」させてきたのは世論の力。


(3)    朝日新聞、7月14日社説

脱原発:政治全体で取り組もう

「国策として進めてきた原発を計画的、段階的になくしていくという政策の大転換である。・・首相の方針を歓迎し、支持する。」

「退陣を表明した首相が、国の根幹となり、社会のあり方を決めるエネルギー政策の今後を方向づけていいのかという意見はあろう。・・だが、自然エネルギーを飛躍的に普及させ、原発への依存を減らしていく方針への異論は少ないはずだ。誰が首相であっても進めなければならない、焦眉(しょうび)の政治課題なのだ。」

「ただ、首相の今回の方針も、例によって内閣や民主党内の論議を積み重ねたものではない。脱原発の具体策を示したわけでもない。そのぶん、発言の唐突さは否めない。」
→※閣内の原発容認派が抵抗していることについて良識ある市民はよく観察している。そんな中で世論よりも閣内コンセンサスを優先していたら、脱原発政策は遅々として進まない。大事な決定が「唐突」に出ざるをえない理由に目を向け、一体誰を批判すべきなのか考えてほしい。

「民主党はかつて原子力を『過渡的エネルギー』としていたが、政権をとった一昨年の衆院選で原子力利用に『着実に取り組む』と方針を転換している。菅首相も原発依存を高める計画を閣議決定し、原発の海外輸出を成長戦略に位置づけていた。・・自民党は過去の原子力政策を検証する特命委員会を設けて議論を始めている。電力業界や経済産業省とともに経済性を重視し、安全性を犠牲にしてこなかったか。真摯な反省が不可欠だ。」
→※原発利権とつるんで嘘を宣伝してきたマスコミも同じく反省が不可欠だ。

政治家が原発に固執することも、態度をはっきりさせないことも、絶対に認められないということを、次回の選挙ではっきりさせよう。


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2011/07/16(土) 20:29 大鬼
■ 世界の流れは脱原発

当ブログでは以前、世界各国での原発賛否を問うたギャラップインターナショナルの世論調査(4月19日発表)を紹介した。311後、多くの国で原発反対が多数派となり、世界は「原発ルネサンス」の呪縛から目を覚まして脱原発へと踏み出した。

これまで原発容認世論が圧倒的に強かった原発大国、米国とフランスでも世論に変化が見られた。米国では4月14-17日に実施されたABCの世論調査で、原子力発電所の新規建設に、賛成が33%(前回2008年7月:44%)であったのに対し、強く反対の47%(前回23%)を含む反対は64%(前回53%)に昇った。フランスでは6月1-3日に実施されたジェルナル・デュ・ディマンシュの世論調査では、原発継続賛成22%に対して、段階的に廃止が62%、即時停止は15%で、脱原発派は合計で77%に達した。

脱原発先進国のドイツ・イタリアでは原発全停止が政治決定された。ドイツでは7月8日、脱原発法が成立し、停止中の旧式8基の即時閉鎖と10年以内の全原発廃止が決まった。すでに原発のないイタリアでは原発計画の再開が国民投票(投票率57%)で94.5%の投票者に否決され、原発のない未来が確定した。


■ 日本の原発世論調査:圧倒的な脱原発世論の形成

原発災害当事国の日本の世論はどうか。一言でいえば、日本の世論は原発容認から脱原発へときわめて劇的に変化した。歴史上例を見ないようような急激かつ大幅な世論の変質である。とりわけ変化が加速したのは4月末から5月にかけての時期で、その変化をリードしたのは女性だった。現状では原発再稼働は認めない、原発全廃まで5年または10年以内、次世代動力は再生可能自然エネルギー、という声が多数を占めるようになった。

以下、現在までに実施された国内主要メディアの世論調査の結果である。定義:原発容認=原発増やす+現状維持、脱原発=原発減らす(段階的)+全廃(即時)。

朝日新聞で継続したデータが得られるのは賛成か反対かの二者択一式。この方式だと漸進的脱原発派の一部が賛成にまわることが考えられるため、原発容認派がインフレする点に注意。この方式でも6月には賛否が逆転した。

朝日原発世論調査2011_1

読売新聞とNHKは4つの回答から選ぶより正確な方式。4月半ばまでは少数派であった脱原発派が、5月半ばまでに6割近くを占める多数派となったことが分かる。また脱原発派のうち原発全廃を求める声が着実に増加し続けてきたことが分かる。

読売原発世論調査2011_1
読売原発世論調査2011_2

NHK原発世論調査2011_1
NHK原発世論調査2011_2


毎日新聞は3つの回答から選ぶ(もはや原発増やす派を独立させる意味もないという)方式。毎日の調査で特に注目は男女の相違である。男性もいまや脱原発が多数派であるが、一貫して女性の方が脱原発(特に全廃論)が多いことが分かる。

毎日原発世論調査2011_1
毎日原発世論調査2011_2
毎日原発世論調査2011_3

定期検査中の原発の再稼働をめぐる是非では、現時点では再稼働反対が多数を占めるようになっている。朝日の質問には「国が求める安全対策が達成されれば」という前提条件がつけられているため、直接的な条件がついていない他のデータとは単純に比較できないが、6月後半から7月初旬にかけて世論が再稼働により批判的となったとも考えられる(ちなみに九電やらせメール発覚は7月2日)。
原発世論調査_再稼働の是非

原発全廃までの具体的スケジュールについては、朝日の7月調査で、将来全廃することに賛成の回答者のうち、5年以内または10年以内が58%と多数を占めた。ただしその他か無回答が9%あるので、即時全廃が必要と考える人の一部が「5年以内」からもれ落ちている可能性もあるだろう。

原発世論調査_全廃時期

菅内閣の是非については5月以降は不支持が増え続けている。支持しない理由のトップは「実行力がない」であり、これだけではどういう政策が不支持を招いているかは分からない。しかし上記のデータから、菅総理が行ってきた脱原発につながる対応が原因ではないことは確実である。例えば浜岡原発の停止判断については圧倒的多数の人が支持している。菅内閣の支持率が落ち続ける主な原因は、長引く原発災害や広がる放射能汚染で安心した暮らしが奪われたことへの一般的な怒りとともに、SPEEDI隠しや学校20ミリシーベルト問題に見られたような数々の非人道的対応、とりわけ情報隠蔽や安全デマで、政府が信用を失ったことにあると思われる。ここまでやられてしまったからには、総理がいくら脱原発に向かう行動を起こしても(それ自体は評価できるにしても)、ただちに政権として支持するわけにはいかない、というのが多くの人々の感覚ではないだろうか。

原発世論調査_浜岡停止是非
原発世論調査_事故対応

原発世論調査_政府情報信用


■ 311後の4ヶ月間の主な出来事

世論が4月後半から5月にかけて脱原発へと劇的に動いた背景を考えてみる。

<311後の主な出来事>

3月11日 福島第一原発事故発生、数日以内にメルトダウン(ただし情報隠蔽)
3月12日 1号機爆発
3月14日 3号機爆発、2号機ベント
3月15-16日 首都圏・伊豆まで大量被曝(ただし情報隠蔽)
3月17日 厚労省、食品放射能の暫定基準値を発表
4月2日 2号機ピット亀裂から超高濃度汚染水が流出
4月4日 高濃度汚染水の意図的放出
4月10日 原発やめろ高円寺デモ
4月11日 20km圏外にも計画的避難地域、発表される
4月12日 レベル7へ引き上げ
4月18日 菅総理、原発政策の白紙化を表明
4月19日 文科省20ミリシーベルト許容を通達
4月25日 SPEEDI一部公開(原発周辺地域の放射能予測値)
4月29日 小佐古内閣官房参与の暴露辞任
5月1日 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク発足
5月6日 菅首相、浜岡原発停止要請
5月7日 原発やめろデモ 東京・大阪・神戸・福岡など
5月8日 敦賀原発で放射能漏れ事故発生(21日に再び漏れ)
5月6-10日 航空モニタリング結果公開(福島実測値)・WSPEEDI一部公開(首都圏含む広域予測値)
5月10日 菅首相、エネルギー政策の白紙見直し方針発表
5月12日 東電1号機メルトダウン認める、東京新聞・電力不足キャンペーンのウソを暴く
5月14日 東電2・3号機もメルトダウン認める
5月16日 NHK・ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図」放送
5月18日 菅首相、発送電分離の検討を発表
5月23日 福島の親たち文科省包囲、参議院行政監視委員会で小出氏・石橋氏ら発言
6月2日 内閣不信任決議否決(衆議院本会議)、「退陣表明した」とマスコミ報道
6月6日 保安院、プルトニウム等の大気中放出認める
6月11日 611脱原発100万人アクション
6月13日 東京連合こども守る会発足
6月26日 玄海原発再稼働をめぐる説明会でやらせメール(7月2日に発覚)
6月27日 福島で体内被曝量検査始まる
7月6日 菅首相、原発ストレステスト実施方針を発表
7月11日 セシウム牛肉の全国拡散が確認される
7月12日 子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク発足
7月13日 菅首相、脱原発めざすと表明
7月15日 福島県が脱原発宣言、文科相もんじゅ中止を示唆、広瀬氏ら政府東電要人を刑事告発

311発生からおよそ1ヶ月間は原発事故について考える余裕もなく、情報もかなりガチガチに統制されていた。4月に入ると東電・政府・マスコミ・学者らの言っていることに異議を唱える人がネット上では増えはじめた。広瀬隆氏・小出裕章氏のような反骨の知識人やECRR・チェルノブイリ研究者・エンジニアなど海外の専門家の情報にアクセスした素人がネット上で反乱を始めた。事故の情報だけなく放射能のリスクについても嘘が徐々にばれていく。

4月10日の東京高円寺デモは、初めて目に見える形で異論が表面化した重要な転換点だった。レベル7への引き上げで事態の深刻さに気づきネットで情報を探すようになった人もたくさんいただろう。しかしなんといっても大きかったのは、4月後半から始まった学校の放射能をめぐる政府と親たちの正面衝突であり、それを契機として福島から首都圏へと拡大していった放射能から子どもを守る親たち(特に母親)の行動(署名・学習会・宣伝活動・独自の放射能測定活動・自治体要請など)である。また放射能の影響を受けやすい若年層を中心に、原発利権や政府マスコミにデマだ風評だと目の敵にされてきたネット上の情報が実は真実ではないかと考える人が増えていった。葉野菜・キノコ・牛乳・魚・海藻・茶・肉など飲食品の放射能汚染の情報がどんどん出てきて「風評被害」が実は本当の放射能被害だったことが明らかになってきた。広域の放射能汚染(WSPEEDI・土壌調査)や海外の機関の情報から、放射能汚染は福島だけでなく日本全体そして北半球全体の問題であることが明らかになった。このように深刻な放射能汚染の実態がある程度知れ渡った時期と、原発反対が多数となった時期が重なる。

つまり脱原発の世論は、放射能は嫌だという訴え、まともな放射能対策を求める声と表裏一体だ。5月23日文科省包囲や6月11日全国的デモではっきりと示されたノー放射能・ノー原発の世論の急成長に対し、マスコミも政府も態度を改めざるをえなくなった。浜岡停止要請や原発政策見直し・発送電分離方針・再生エネルギー法案・ストレステスト、そして脱原発会見といった菅総理の一連の動きも、世論におされて出てきた。日本社会で孤立しているのは首相というよりその取り巻きであり、永田町・霞ヶ関界隈は世論からどんどん遠ざかっている。どんなに首相の脱原発方針自体が歓迎であっても、今後のエネルギー政策に論点を限定し、現に進行中の放射能被害を過小評価し、情報隠蔽と安全デマで市民をだましながら放射能汚染食品や汚染環境での暮らしを押しつけている政権に、世論は支持を与えていない。政府がいま命を守る政策に転換することを世論は求めている。


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