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2011/03/29(火) 09:55 大鬼
ここにきて原発推進派の政治家や御用学者たちこぞってが、放射性物質汚染濃度についての食品安全基準が「厳しすぎる」と言いだし、内閣・厚労省も規制値の緩和を一気に既成事実化しようとしている。

人命より利権を優先する放射能摂取推進派政治家たちの妄言

玄葉光一郎(国家戦略相兼民主党政調会長)
「国際比較でも厳しすぎる。このままだと何も食べられなくなってしまう」(3月29日)

岡田克也(民主党幹事長)
「少し厳格さを求めすぎている・・・科学的な厳格さを求めすぎれば風評被害になる」(3月27日)

しかし彼らの「厳しすぎる」という主張はまったく事実無根であり、むしろ現行基準はゆるすぎるというのが真実だ。また基準が厳しいから「風評被害」が起こるのではなく、基準がゆるくて政府が原発被害を被害として認めようとしないことによって市民が自己防衛せざるをえない状況になっているのだ。マスコミは予想通り、彼らの非科学的な主張を全く問題にしない。

まずこの現行暫定基準とは、十分な科学的検証も民主的議論もないまま、厚労省官僚が福島原発事故後に急遽やっつけ仕事で作成した暫定的基準である。そもそも原発を推進してきた歴代政府が、食品の放射能安全基準を定めてこなかったという事実が、彼らの人命に対する姿勢を物語っているが、この暫定規制値の内容もひどいものだ。

例えば野菜類の放射性残留物の暫定基準は、以下のように設定された。
放射性ヨウ素:2000ベクレル/kg
放射性セシウム:500ベクレル/kg
ウラン:100ベクレル/kg
プルトニウム:10ベクレル/kg

※ベクレル(Bq)とは放射性物質の量を示す単位で、一定の量(1kg・1リットル)あたりのベクレル値が用いられる。シーベルト(Sv)とは放射線の強さ(被曝量)を示す単位で、一定の時間(1時間・1年など)あたりのシーベルト値が用いられる。1Sv=1,000ミリSv=1,000,000マイクロSv。

まず米国科学アカデミーなど世界の科学者の多くが、これ以下なら安全であるというしきい値は存在せず、低濃度でもリスクは摂取量に比例して高まるということに合意している。これに反発しているのは原発産業と癒着した人たちだけだ。つまり、この2000や500という数字がなぜ安全と言えるのか、科学的には全く証明できない。ガンや白血病や遺伝病のリスクが増えることが分かってきているなら、極力そのリスクを抑える方向で考えるべきではないのか。そもそもその意味で、どこかの国や機関と比較してどうこう言うこと自体があまり意味がない。それでも比較したいのなら、中立なはずの公的機関なのだからきちんと日本よりも厳しい基準をもっている機関についても言及すべきだ。

実は日本政府(厚生省)はチェルノブイリ事故後に、輸入食品に残留した放射性セシウムの上限を、ICRPの勧告に基づいて370ベクレル/kgとしていた。ICRPは原発推進国際機関なのでその基準も被害を過小評価した計算に基づいているが、今の暫定基準はそれよりも甘い。

さらにFAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)による合同組織であるCAC(コーデック栄養委員会)の食品放射能基準は、以下の通りである。

放射性ヨウ素・ウラン他(計5種)の合計:100ベクレル/kg
放射性セシウム・コバルト他(計8種)の合計:1000ベクレル/kg
プルトニウム他(計4種)の合計:10ベクレル/kg(乳幼児1ベクレル/kg)

こちらは放射性残留物の合計値なので比較は分かりにくいが、はっきりしてるのは、ヨウ素131の現行基準が国際的なコーデック基準よりも少なくとも20倍以上はゆるいということだ。水道水についても日本の暫定基準はWHO基準よりも20~30倍ゆるいので、暫定基準を作った連中の作為がはっきりと見える。

さらにドイツの放射線防護協会(人命重視の立場の科学者団体)は、年間300マイクロSvを人工放射能被曝限度とし(この点は別の記事を参照)、放射性核種ごとの摂取精密な被曝量計算と年齢ごとの平均摂取量など日本政府などとは比べものにならないほどの丁寧な計算に基づき、17歳以上の人へのセシウム137の摂取限度を年間7.7ベクレル/kgまで(乳児は5ベクレル/kgまで)とした。仮にセシウム134の基準も同量だと仮定すると合計で約15ベクレル/kgなので、日本のセシウム基準(500)はその30倍以上だということが分かる。

要するに、日本の食品放射能についての暫定基準は、国際的基準よりも20~30倍ゆるいということである。


原発推進派が基準値緩和を急ごうとしている理由は、現行基準が「厳しすぎる」からではなく、反対に甘すぎる現行基準ですら許容できないくらいに放射能汚染が広がってきたという事態があるからだ。本来であれば原発推進派が負うべき責任と負担(被曝者・農家への補償や汚染除去事業のコスト)をむりやり市民に転嫁する(放射能汚染食品を食べさせる)、これが放射能摂取推進キャンペーンの真相である。

今後政府が言い出す新たな基準を許してしまったら、すでに数十倍ゆるくて安全性の根拠たりえていない基準はさらに無意味になり、スーパーはより多くの放射能汚染食品であふれかえることになる。こうなったらもう西も東も日本人は体内被曝から逃れられない。

3月28日、東京、千葉、福島、茨城、栃木、群馬、神奈川、埼玉の8知事が食品の安全基準が「厳しすぎる」として規制緩和を国に要望した。あなたの県の知事や代議士が、このような犯罪的な放射能摂取推進キャンペーンに加担していないかどうか監視しよう。県庁の意見フォームや議員事務所にメールを送ろう。


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