ヨウ素131(Bq/Kg)
0.11 | アメリカの安全基準(水)※3 |
6 | カナダの安全基準(水) |
<10 | WHOの安全基準(水)※2 |
<100 | コーデックス安全委のヨウ素131他5核種合計量の基準(食品)※1 |
100 | シンガポールの安全基準(食品) |
<100 | 日本の乳児への放射性ヨウ素暫定基準(牛乳・乳製品) |
210 | 東京の金町浄水場で3月22日に浄水場で検出された値(水) |
<300 | 日本の3月17日からの放射性ヨウ素暫定基準(水と牛乳・乳製品) |
336 | 千葉の北千葉浄水場で3月22日に採取されて3月29日に発表された値(水) |
540 | 茨城で4月2日に水菜から検出された値 |
648 | 静岡産の小松菜で3月31日にシンガポールで拒否された小松菜の値 |
1,000 | WHOの餓死を避けるために緊急時に食べざるを得ない値(食品) |
1,100 | 埼玉で3月25日にホウレンソウから検出された値 |
1,700 | 千葉の出荷自粛のサンチュで3月29日から4月4日まで東京で売られていたものの値 |
<2,000 | 日本の放射性ヨウ素暫定基準(食品) |
2,700 | 茨城で4月7日にホウレンソウから検出した値 |
3,100 | 福島産の椎茸から4月3日に検出された値 |
4,080 | 茨城で4月4日にコウナゴから検出された値 |
8,086 | 東電が「低濃度」と呼ぶ意図的に海洋排水された汚染水の値(推定値) |
15,000 | 茨城で3月19日にホウレンソウから検出された値 |
430,000 | 1号機の建屋近くの地下水から3月31日に検出された値 |
1,170,000 | 飯舘村で3月20日に土壌から検出された値 |
2,540,000 | 飯舘村で3月20日に雑草から検出された値 |
3,900,000,000 | 3号機で作業員が被ばくした溜まり水 |
6,879,400,000 | 2号機から4月2日から4月7日まで海洋排水された「高濃度」汚染水の値(推定値) |
セシウム137(Bq/Kg)
2 | ウクライナの規制基準(水) |
4 | ドイツ放射線防護協会が提言する乳児、子ども、青少年に対する安全基準(食品・飲料全般) |
8 | ドイツ放射線防護協会が提言する大人に対する安全基準(食品・飲料全般) |
7.4 | アメリカの安全基準(水)※3 |
<10 | WHOの安全基準(水)※2 |
10 | カナダの安全基準(水) |
40 | ウクライナの規制基準(野菜・穀物) |
100 | ウクライナの規制基準(牛乳・乳製品) |
<200 | 日本の3月17日からの放射性セシウム暫定基準(水と牛乳・乳製品) |
370 | 日本がチェルノブイリ後に暫定的に決めた輸入食品への安全基準(食品) |
376 | 茨城で4月2日に水菜から検出された値 |
<500 | 日本の3月17日からの放射性セシウム暫定基準(食品) |
526 | 茨城で4月4日にコウナゴから検出された値 |
570 | 福島で4月9日にコウナゴから検出された値 |
813 | 東電が「低濃度」と呼ぶ意図的に海洋排水された汚染水の値(推定値) |
890 | 福島で4月3日に椎茸から検出された値 |
<1000 | コーデックス安全委のセシウム・ストロンチウム他8核種合計量の基準(食品)※1 |
<5,000 | 農水省が4月8日に発表したイネの作付け制限土壌基準(約15cmまでの土、放射性セシウム、チェルノブイリ任意移住レベルの2倍) |
13,000 | 福島で4月10日に椎茸から検出された値 |
15,544 | 旧ソ連のチェルノブイリから200km離れたゼルジンスク村の1996年(10年後)の雑草の値 |
29,000 | 飯舘村で4月12日にイネの作付けの土壌から検出された値(土壌) |
163,000 | 飯舘村で3月20日に土壌から検出された値(チェルノブイリ強制移住レベルの2倍) |
2,650,000 | 飯舘村で3月20日に雑草から検出された値 |
699,600,000 | 2号機から4月2日から4月7日まで海洋排水された「高濃度」汚染水の値(推定値) |
※1:コーデックス基準(食品)は以下のようになっているため、厳密な比較は難しそう。ただヨウ素131については、5核種合計で100Bq/kg以下なので、日本の基準より厳しいということは確実。
グループ1
Pu プルトニウム238
Pu プルトニウム239
Pu プルトニウム240
Am アメリシウム241
これらすべての合計が、子供は1Bq/kgまで、大人は10Bq/kgまで
グループ2
Sr ストロンチウム90
Ru ルテニウム106
I ヨウ素129
I ヨウ素131
U ウラン235
これらすべての合計が、子供・大人とも100Bq/kgまで
グループ3
S イオウ35
Co コバルト60
Sr ストロンチウム89
Ru ルテニウム103
Cs セシウム134
Cs セシウム137
Ce セリウム144
Ir イリジウム192
これらすべての合計が、子供・大人とも1000Bq/kgまで
なおコーデックス委員会(FAO・WHO)の基準は、世界各国で実施されている基準のうち、原発推進派の側にかなり偏った主張を採用している。
※2:WHOは、全ベータ線核種の合計が1Bq/Lである場合、もしくは全アルファ線核種の合計が0.5Bq/Lである場合、初期介入が必要としている。その後、等価線量(体に与える影響)を0.1ミリシーベルト/年以下にする量として、以下のような核種(同位体)ごとの想定上限値を定めている:プルトニウム239=1Bq/L、ストロンチウム90=10Bq/L、ヨウ素131=10Bq/L、ヨウ素134=10Bq/L、セシウム134=10Bq/L、セシウム135=100Bq/L、セシウム137=10Bq/L。しかし上記の想定上限値は、その核種のみが水に含まれている場合を想定した上限という意味であり、現実には複数の異なる核種が存在することが考えられるため、それら合計の等価線量を0.1mSv/yにするには、個々の核種に適用される実際の規制値は上記の想定上限値よりも低い値になる点に注意が必要である。例えばヨウ素131とヨウ素134とセシウム134とセシウム137の4種だけが同量含有されている場合を仮定すれば、それぞれの規制値は2.5Bq/Lになる。なおWHO(コーデックス委員会)は世界的には、IAEAなどの原発推進機関との癒着のため基準がゆるすぎると批判されてきた。つまり国際的基準を議論する場合、WHO(コーデックス委員会)の基準は必ずしも公正なものとは言えず、世界中で実施されている基準値のうち原発推進派にかなり有利な基準がこの程度のレベルである、と理解すべき。
※3:米国の水質基準については、ベータ線・ガンマ線系のすべての放射性核種の合計量が4ミリレム/Lまでとあるので、仮にヨウ素131またはセシウム137だけが存在して他の放射性核種がないと仮定した場合、上記の数値になる(この数値はワシントン州などいくつかのサイトを参考にした)。例えばヨウ素とセシウムが両方ある場合は合計で4mrem/kgなので、上記の数値よりも低い値しか許されない。米国の食品安全基準は一般的にいって安全性を重視していないことで有名(食品産業のロビーは強力!)だが、水についてはこれほどの基準があるとは正直言って意外だった(ロビー勢力がいないとこんなにも良い基準になる?)。
※EU諸国については、仮にEU自体の基準がゆるくて放射能汚染食品が輸出入規制にひっかからなかったとしても、各国独自の基準が別にあるのでそれらを調べなくてはいけないですが、やれていません。
資料出所:
コーデックス基準(食品)
WHO基準(水)
米国の水質基準(その他のリンク1、リンク2)
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<中鬼ついでにニュースもぶった切る!!>
2011年4月3日・朝日新聞「放射性物質微量でも県内産農産物輸入停止:シンガポール」
この記事に、「シンガポールの基準は日本や欧州連合(EU)が採用する基準に比べて厳しいとされるが、」、「シンガポールで検出されたヨウ素131は、1キロあたり648ベクレル。同国の基準値である1キロあたり100ベクレルを超えたが、日本やEUの基準である2千ベクレルは大きく下回っている。」と書いてある。
大鬼くんが調べてくれたら、EUのヨウ素の安全基準は子どもの食品なら150Bq/kg(乳製品は500Bq/kg)なので、輸入となれば日本の2,000Bq/kgは問題になりませんか?それにたとえEUをすり抜けても欧州各国の基準が別にありますよ。まるで悪いのはシンガポールっすか。シンガポールはコーデックス安全委員会の基準(5核種の合計で100Bq/kg)に近い基準を使っているのだから、批判は的外れなように中鬼には見えますが。
朝日の記者さん、この記事が真実のジャーナリズムにのっとった報道だと言えますか。