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2011/04/18(月) 11:19 大鬼
3・11後の原発推進派による情報隠蔽や非科学的な放射能摂取推進キャンペーンを目の当たりにして、原子力権力の理不尽さや腐敗を知ることになった人は多い。今回はこの原発権力の闇の部分に少し焦点を当ててみたい。

週刊朝日の記事(2011年3月30日)によると、福島原発大災害が天災ではなく人災であると断言する佐藤栄佐久・元福島県知事は、もともとは原発推進派であった。彼が原発の安全性への疑念を抱くようになったのは、1988年末に福島第二原発3号機原子炉で破損事故が発生して警報が鳴り続けていたにもかかわらず、東京電力が情報を隠して運転を続けていたということが発覚したからであった。この時彼は知事として通産省(現・経産省)に抗議したが無視されたという。

さらに2002年の夏、東電が福島第一・第二原発の原子炉のひび割れを隠蔽している、という恐ろしい内容の内部告発が何者かによって福島県庁にもたらされた。経産省の原子力安全・保安院はこの情報を2年前につかんでいながら、調査をするどころか東電に内部告発内容を逆リークしていた。このことが発覚し、東電幹部の責任が追及されて17ある東電管理下の原子炉すべての一時停止にまで事態は及んだものの、経産省はその後も何食わぬ顔で「原発は絶対安全だ」キャンペーンを続けた。

佐藤元知事は、1998年に一旦は条件付きで認めた福島第一原発3号機のプルサーマル(MOX燃料を使う原子炉)計画に対して、2003年に受け入れ拒否を表明した。その理由は、青森県六ヶ所村の使用済み燃料再処理工場がトラブル続きで、原発燃料の行き場がなくなることが明らかになったため、特にプルトニウム・ウランを混ぜたMOX燃料を福島原発の燃料プールに保管しておくことがあまりに危険だと判断したからである。

以上のように福島原発をめぐっては過去にいろいろなトラブルがあり不確定な状況が続いていたのだ。過去の不祥事で停止に追い込んでいれば、今頃こんな惨事にはなっていなかったであろう。しかし2006年、反小泉改革の姿勢を鮮明にしていた佐藤知事を東京地検特捜部が汚職容疑で逮捕した。特捜という集団は、これまでも米国や財界によく思われていない田中角栄系(アジア重視派)の政治家ばかりを汚職スキャンダルのターゲットにしてきた国策捜査組織であるが、その組織が原発政策にとって障害となっていた福島県知事を排除するために動いた。ちなみに控訴審で「収賄額ゼロ」の「有罪判決」が出ているが、詳しくは、佐藤栄佐久著『知事抹殺:つくられた福島県汚職事件』(2009年・平凡社)に書かれているとのこと。前知事辞職を受けて、佐藤雄平・現福島県知事が就任、2010年に福島第一3号機のプルサーマル受け入れを決定した。

福島原発大災害は、これまで原発権力が住民の安全にかかわる重大な情報を隠蔽し、彼らの政策にとっての障害物を排除しつつ利権をむさぼってきたことの結果であり、人々を欺いた権力者たちが招いた人災である。

一方、福井県では高速増殖炉「もんじゅ」のトラブルがらみで、動燃・日本原子力研究開発機構の関係者が変死する事件が起きている。

もんじゅにはこれまで2兆円以上の税金が注ぎ込まれ、1日数千万円の維持費で、これまでの総発電量はゼロ、トラブル続きで信頼性ゼロ、さらに活断層付近にあり下手をすると大量のプルトニウムをまき散らかして関西・中部に取り返しのつかない被害をもたらすという、国家プロジェクトの高速増殖炉だ。2010年夏には重さ3トンもの燃料交換装置が炉心内に落下するという事故を起こし、現在でも落ちた装置が溶けて変形して取り出せなくなっているため異常事態が続いている。そしてこの装置の管理担当者であった日本原子力機構の課長が、2011年2月に付近の山中で「自殺」したと報道された。一体、管理者自らがさじを投げるしかないような代物を、どうやって信頼しろというのだろうか。

もんじゅがらみの「自殺」事件は過去にも起こっていた。もんじゅが1995年にナトリウム漏れ事故を起こした際、現場を撮影したビデオ映像が編集で隠蔽されていたことが判明し、動燃の汚いやり方に批判が集中していた。1996年1月、動燃のビデオ改ざん問題で内部調査を行っていた西村総務部次長が「自殺」したとの報道を機に、メディアは一斉に本件への追求をやめた。しかし西村さんの遺族は、遺体の状態から警察発表にあるホテル11階からの飛び降り自殺説には多くの無理があることや、西村次長が前日の記者会見で虚偽の内容の発表を強要されていたことから納得いかず、裁判でこの問題を追及した。しかしメディアも司法も遺族の声を取り上げなかった。もんじゅの不始末で生じた原子力政策への批判的世論を抑えるため、この「自殺」事件が幕引きに利用されたようだ。

「汚職」事件も「自殺」事件も真相は分からないが、その周辺情報から浮かび上がってくる原子力利権の姿はかなりいかれている。チェルノブイリ級の大惨事を引き起こしながら、奴らが性懲りもなく「原発は安全になった」と言い出すのも時間の問題だ。これ以上奴らのウソに振り回されて、奴らに社会をめちゃくちゃにさせるわけにはいかない。もう公式の情報をナイーブに信じたり、誰かが何とかしてくれるなどと期待することなどできない。一人一人が学び、発言し、世論のちからでこの強大な原発利権から日本列島を取り戻そう。


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