文科省によるセシウム土壌濃度の航空モニタリングで、10月中に新たに東京・神奈川・新潟・秋田の計測結果が公表された。東京・神奈川は2011年9月14~18日、新潟・秋田は2011年8月30日~9月28日に計測された。以下はセシウム134・137合計の土壌沈着濃度(Bq/m2)である。ストロンチウム・プルトニウムなど
他の放射性核種は含まれない。
<参考までに>
放射能空間線量については、毎時0.11マイクロシーベルト以上だと1年間で年間許容限度とされる1ミリシーベルトを外部被曝だけで越える。土壌汚染については、チェルノブイリではセシウム137の地表堆積(ベクレル/m2)が37000(37K)以上で汚染地域とされ、185000(185K)以上で補償つき任意移住が認められ、555000(555K)以上は強制移住、1480000(1480K)以上は強制移住&立入禁止ゾーンとされた。セシウム134と137はほぼ同量ずつと考えて良い。
広域放射性セシウム汚染マップ福島から西に向けて伸びる放射能汚染地帯の一部が新潟にもかかっていたこと、また南に向いた放射能雲が東京も汚染したこと、そして県境の状況から考えて長野・山梨・岩手などにも汚染地帯が存在する可能性が高いこと、などが分かる。
東京都のセシウム汚染マップ東の葛飾区・江戸川区・足立区・江東区の一部、西の奥多摩・青梅・日の出・あきる野・檜原・八王子の一部から比較的高い濃度が検出された。奥多摩の高濃度地域は原発からの距離が250kmを越えている。WSPEEDIの予測データによれば3月15日前後に東京埼玉を東から西へ高濃度放射性プルームが横断した可能性が高いが、コンクリートの多い大都市部ではセシウムの地表沈着量が相対的には少なく数ヶ月の内に地表から下水などに流れ出た割合が高いと思われる。ただし航空モニタリングで低い濃度のエリアでも花壇・街路樹・グランドなど局所的に高い濃度が首都圏各所で検出されている点には注意が必要である。
神奈川県のセシウム汚染マップ神奈川県はこれまで計測された都県と比較するとセシウム土壌濃度は相対的には低い。ただし航空モニタリングで低い濃度のエリアでも花壇・街路樹・グランドなど局所的に高い濃度が首都圏各所で検出されている点には注意が必要である。また神奈川県横浜市や
逗子市など神奈川県内で相次いでストロンチウムが検出されているように、セシウム濃度が低くても
他の放射性核種が同様であるとは限らない。
新潟県のセシウム汚染マップ新潟県は南部と東部に汚染エリアが見つかった。とりわけ魚沼産米・岩舟産米の産地から高い濃度が検出されている。そこには原発からの距離が200kmを越える場所も含まれている。
秋田県のセシウム汚染マップ秋田県はこれまで計測された都県と比較するとセシウム土壌濃度は相対的には低い。
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